姫路の代表的な伝統工芸品「明珍火箸」(みょうちんひばし)
その澄んだ音色と余韻は全国的にも有名である。 糸で吊した2本の火箸が触れ合うと、澄んだ音色が深い余韻(よいん)を残してどこまでも響き渡る。 楽器としても高く評価されている神秘的な音色。 この明珍火箸の独特の「音」の秘密は、専門家の研究によっても解明できないという。 鉄の鍛え方が特殊であるらしいが、理論や数値では表せない。 熟練の職人が体で覚えた微妙な焼き加減、打ち加減を要する、秘伝の技からのみ生み出されるのだ。 明珍火箸の「音」は、オーディオメーカー「ソニー」のマイクの音質検査にも使用されている。 マイクの音質性能は、拾った音を再生する際、いかに生の音に近づけられるかが重要な判断基準となる。 それをチェックするための音源に、明珍火箸が最適とされている。 採用理由は、音色と余韻に優れ、音に安定性があること。 日本を代表する世界企業・ソニーの最先端音響技術、その一端を明珍火箸の伝統技術が担っている。 音色に魅せられた冨田勲やスティービーワンダーなど国内外のミュージシャンからも絶賛されています。 明珍家の祖は甲冑師の名門で、代々鎧・兜(よろい・かぶと)を製作してきた。 明治以降はその鍛造(たんぞう)技術を生かして火箸を作りはじめる。 質を落とすことなく、甲冑と同じ鍛え方で1本1本に精魂を込めた明珍火箸は好評を得た。 第二次大戦の金属回収令で鉄の供出を強いられ、断絶の危機を迎える。 やがて終戦。何もかも失った状態で先代が仕事を再開しはじめた1960年、明珍さんは家業を継いだ。 しかし燃料革命による石油・ガス・電気器具の台頭で火箸の需要は減少する一方となり、窮地に陥った。、 「技術を絶やすわけにはいかない。それは文化を潰(つぶ)すことですから」。 そこで火箸の「音」に着目し、試行錯誤の末に風鈴を考案した。 ジメジメしたこの時期に、澄んだ音色で癒されてはどうでしょう。 明珍火箸本舗 ・所在地 姫路市伊伝居上之町112 ・連絡先 電話(079)222-5751
by fuukapapa
| 2009-06-30 18:45
| 日常
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